20年以上介護職員として仕事してきましたが、一つの大きな不思議がありました。
それは処遇改善金が支給されるようになったのに、何故介護職の初任給は増えてないのか?
今回はそれについて分析してみました。
介護職の初任給は?
ちなみに私の1年目の給料は基本給17万半くらい、夜勤手当とか色々含まれて、手取り16万から17万円くらいってところでした。
20年以上前のことです。
介護職の給料の総支給は20年前と比較して増えている
- 処遇改善金
- 特定処遇改善金
- 処遇改善補助
この3種で2万円から3万円、毎月の総支給は増えています。
ただ、この手当を基本給の昇給に使っている施設もありますので、額面通り上がっているとは限りません。
介護職の初任給の手取りが増えない3つの理由
①介護職の手取りが増えないのは、社会保障費が増大したから
例えば1999年は健康保険料は8.5%です。
総支給20万円だとしたら17,000ですね。
では2023年は介護保険料も加わったと仮定しますが、11.82%です。
総支給20万円だとしたら23,640円ですね。
健康保険で6,640円手取りは減っています。
厚生年金は2003年データでは13.58%です。
27,160円ですね。
厚生年金2023年データでは18.3%です。
金額は36,600円ですね。
厚生年金で9,940円で手取りは減っています。
毎年少しずつ社会保障費用は増えている。
社会保障費の給付額合計は20年前は45兆円、現在は100兆円を超えています。
そのため、国民の負担額もどんどん増大しています。
健康保険、介護保険、健康保険、この3種合計で結構上がっています。
合計16,080円、手取りが減っているのです。
②介護施設の経営難で処遇改善金がそのまま支給されていない
処遇改善金は全額給与アップに使われていればOKです。
- 賞与の代わりにする
- ベースアップに流用されている
実際に賞与が処遇改善金になっている施設もあるようです。
③電気代など維持費が高額になった
維持費が高額になっています。
コロナの影響も強く、数年前と比較し5割増近くになっているケースもあります。
もともと年間数十万円がコストとして計上されていましたが、5割増しになればかなりのコストになります。
100万円超えも珍しくありません。
まとめ
- 介護職の総支給は増えているが、社会保障費の増額で手取りは上がっていない
- 処遇改善金がベースアップに加算されている場合、むしろマイナスになっているケースもある
- そもそも処遇改善金がない施設もある
他職種が給与が中々上がらない中、介護職は実は給与が着実にアップしていました。
ですが、その分社会保障費が増額、手取りが増えていませんでした。
他職種は手取りが減り続けているケースも珍しくなかったですし、それよりは良かったのかもしれません。
現在介護職は需要が高く、中途採用枠の給与は毎月30万円も珍しくありません。
ただ1年目の給料に関しては、残念ながら手取りは昔から変わっていないのが現状です。
どの職種も1年目は高い給与をもらうことは出来ません。
まずは介護スキルを上げることから、考えていきましょう。