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【介護の疑問】なぜ介護施設ではパジャマへ着替えをしないのか、3つの理由から分析

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今回は介護の疑問、「介護施設ではパジャマに着替えない施設が多いけど、いいんですか?」についてです。

今回はその解答についての記事を作成しましたので、参考にして頂ければ幸いです。

 

パジャマへ着替えをしないのはおかしい、という一方でそもそもパジャマへ着替えをしない人もいます。

実際にパジャマを使っていない人も多いでしょう。

特にルームウェアという分類が出来てから、パジャマというジャンルは衰退したように感じています。

 

また介護施設にはパジャマへの着替えにマンパワーを避けない理由はいくつかあります。

今回の記事では、理由の分析、深掘りをしていきます。

 

本記事のポイント

  • パジャマの着替えは本人から求められていない
  • 着替えをするケアの優先順位は高くない
  • 介護施設マンパワーには余裕はない

以上です。

パジャマに着替えをした方がいい理由

パジャマへ着替えをした方が良い理由はいくつかあります。

その中でよく言われる内容を紹介していきます。

時間の感覚をつかみ、習慣付けするため

眠前に着替えをすることで、夜寝るための準備としてパジャマの着替えは推奨されています。

眠る前に入浴し、過ごしやすい楽な衣類に着替えて眠ると良い、ということです。

 

そのため、本来はパジャマではなくルームウェアでも問題はありません。

実際、現在はパジャマに着替えるより、ルームウェアで眠る人も多いでしょう。

毎日の更衣がリハビリになる

リハビリは機能訓練士による特別なケアが良い、ということはありません。

毎日の行動が生活リハビリになり、日常的な訓練になるケースが多いです。

特に関節に問題がある人には、なるべく動く機会を作りたい、とパジャマへの着替えをする人もいました。

 

実際、リハビリになるからと家族様から希望するケースもあるでしょう。

生活リハビリになるから、着替えをして欲しいのです。

全員パジャマに着替えをする介護施設はあるが、実情は本末転倒

過去に勤務したことがありますが、全員パジャマに着替えをする介護施設もありました。

ただ着替えを目的にしているため、着替えの時間は夕食後から夕食前に、夕食前からおやつ後へ、どんどん時間がずれていきました。

要するに

  • 早番職員が退勤する前に済ませる
  • 面会が終わりやすい時間

その2つを両立した結果、おやつ後の時間になったわけです。

本来時間の感覚を掴んでもらうためのパジャマへの着替えなのに、昼間行っては本末転倒ですよね?

 

介護施設でパジャマへの着替えをしない3つの理由

介護施設ではパジャマへ着替えをする施設は少ないです。

生活施設なのに何故?と思う人が多いかもしれませんが、着替えに時間を使うより、メンタルサポートやトイレ誘導などに時間を割きたいと思うのが実情です。

何しろ、帰宅要求やトイレで困る人はいても、パジャマに着替えが出来なくて困る人はまずいのですから・・・。

①パジャマに着替える意味がない

認知症状や身体能力低下により、自力で着替えができる人はほぼいない。

元来、パジャマは夜のおしゃれ着の意味もあり、着ていなかった人も多いです。

また介護施設への利用者の流入なのですが

  • 病院から来ている
  • 限界介護の在宅から
  • 老健からの看取り

などが多く、そもそもパジャマに着替え自体、こだわりや意味を感じていない人が多いです。

 

逆にユニットケアをきちんと行う施設では、ナイトケアとして取り入れています。

ただ特養の場合、介護度上昇に伴い、着替え自体が困難になるケースも多いです。

介護度5に近い場合は、着替え自体が負担になってくる、寝たきりでそもそも不要な人が増え、全員着替えは施設側のこだわりでしか、なくなってきます。

 

②パジャマに着替えに要するマンパワーがない

  • パジャマへの着替えは一人5分くらいは必要
  • 個室で行う必要があるケアである
  • 夕食後は夜勤・遅番のみで人員は限定されている

20人1フロアの施設であった場合、一人の介護職員で10人は担当する必要があります。

しかも一人ずつ行い必要があるケアです。

 

大半の施設が夕食ー口腔ケアートイレー臥床、の流れなのですが、遅番勤務は19時か20時位で終了が多いのです。

そのため、着替えに50分以上使う場合、19時退勤では18時夕食終了としても即着替えになり、慌ただしくなり利用者の話を聞く時間もありません。

ケアの時間がきつくなってくると、ケアの質も低下します。

 

③本人達も着替えるのは面倒だし、そもそもケアプランにない

介護施設に入居する人は、自力では生活が出来なくなった人です。

その為、パジャマへの着替えを希望する人は誰かというと、家族である場合が大半です。

ケアプランには本人の生活を維持する為の内容が記載されていますが、パジャマへの着替えをケア内容に記載することはまずありません。

 

パジャマへの着替えは、生活を考えた上では優先順位は低いですし、そもそも自力生活者であっても、寝る前にパジャマに着替えをしている人も動くことが負担になってくる段階では少ないでしょう。

そもそもの本人様からすると、パジャマへの着替えの需要が少ないのです。

 

またパジャマというと前開きの上下が別れた服を想定していますが、ユニクロなどでもルームウェアとパジャマは同じ分類で販売されています。

介護施設で必要になる衣類は、どちらかというとパジャマより介護用の前開きの伸縮性のある衣類でしょう。

家族様からの強い希望でパジャマへ着替えをケアに組み込む場合もある

ケアプラン作成は基本的には本人の希望で、話を聞いた上で作成します。

ですが実際は家族様の希望も入れていく場合も多いです。

そのため、家族様の希望としてパジャマの着替えがケアに入る場合もあり、その結果着替えがケアに入る場合もあります。

その結果、パジャマへの着替えをケアとして限定的に実施している施設でありますが、あくまで限定的です。

 

まとめ

  • 介護度が高い人が大半であり、一般の人が思うような生活は出来ない
  • そもそも毎日入浴もしない
  • 施設の介護職員比率は12:1である場合も多く、夜に着替えはリスク大
  • 寝たきりの人が多く、部屋着などゆったり系の服を来ている人が多い
  • パジャマへの着替えのケアの優先度が低い

ですが、実際はパジャマへの着替えにこだわる家族もいます。

 

なぜこのチグハグが生まれるかというと、介護施設は生活施設と考えられているからであり、在宅復帰が目標の一つに設定されています。

ですが実際に在宅復帰する人はまずいません。

在宅復帰のためにリハビリをする必要があるのに、実際には在宅復帰をしない。

そんなチグハグさがパジャマへの着替えの必要性を生んでしまうのかもしれません。

 

介護をする上で、理念が同じである、ということは重要なポイントです。

パジャマへの着替えなど、日常的な生活支援を大切にした施設に勤務したい場合はグループホームユニットケアを重視している介護施設が推奨されます。

一度、そういった施設があるかどうか、人材紹介会社に聞いてみてもいいかもしれません。

 

この会社が詳しいです。